映画「カラオケ行こ!」の感想

2024-02-01 映画

1月27日
映画館で視聴
ネタバレあり
 
予告編を見て低予算のコメディ映画だと思ってたからそこまで期待していなかったけど、綾野剛が紅を熱唱しているのとレビューが異常に良かったので観に行ったら感動して泣くぐらい面白かったし、コメディとしても笑えた。
歌を歌っているシーンとかも多いし映画館のいい音響で見れてよかった。
普通にもう一回観に行きたくなるくらい面白かった。
 


 

あらすじ

中学校の合唱部の部長を務める岡聡実はたまたま合唱コンクールの会場の歌声に惹かれて岡聡実の歌声を聞いたヤクザに歌を教えてくれと頼まれる。

感想

設定も序盤の流れもシュールコメディーで、合唱コンクールに出るような真面目な中学生をヤクザのめちゃくちゃ怖い感じのおじさんが「カラオケ行こ」って誘うという導入で一気に引き込まれた。カラオケ行ってからのシーンでどうしてカラオケに誘ったのか、歌の練習をするのかをちゃんと説明してくれるし、意味わからないくらい変な理由なのに真面目に練習する気持ちもわかるくらいカラオケ大会で負けたくないのが伝わってきてかなりシュールで面白かった。
 
聡実君は聡実君で声変わりで特異なソプラノの音域が出なくなってきていることを気にしていて、合唱コンクールで3位になってしまったのも自分のせいだと思い詰めていて部活もサボりがちになって幽霊部員として名義だけ貸してる映画を見る部に行って友達と映画を見ながらヤクザのおじさんのことを相談したりしている。このシーンが何回も出てくるけど、その会話のシーンが思春期の悩みみたいなのを真面目に描いていて青春ものとしても丁寧な作りになっている分、まじめでおとなしい中学生にヤクザが真面目に歌について教えてもらうシーンとのギャップで面白かった。最初の成田だけじゃなくてほかのヤクザもいっぱい集めて一言ずつ批評していくシーンは、カットのテンポの良さとヤクザの各々の個性的な選曲と歌い方と聡実君の一言が辛辣かつ的を射た指摘になっていて気持ちよかった。
 
合唱コンクールのシーン以降は聡実君は声変わりせいで今まで通りうまく歌えないことが嫌で歌うシーンが一切なかったけど、成田が真面目に練習する姿に影響を受けて部活で歌う最後のチャンスの合唱祭に行くことを決めるシーンで母親に「うまく歌えへんかもしれんけど」って言うのが聡実君の精神の成長を描いていて良かった。
決意して合唱祭の会場に向かう途中で成田の車が事故しているのを見て成田のことが心配になり合唱祭を抜け出してヤクザのカラオケ大会に向かうシーンとか青春映画そのものだったし、ヤクザの組長に詰め寄るシーンも感動的だった。最後に組長に歌っていけって言われて初めて聡実君が成田に向けて紅を歌うシーンはめちゃくちゃ歌声がきれいなのに高音のところきつそうに一生懸命歌っていて感動的だった。紅の歌詞の意味を調べるシーンが途中であったこともあって鎮魂歌として気持ちを込めて歌っているのが伝わってきたし、ヤクザが泣いているのも良かった。歌い終わった後に成田は無事でトイレに行っているだけだったのにヤクザの悪ふざけでだまされていただけだったって分かるシーンも組長がふざけてて面白かったし愛嬌があった。
 
最後、卒業式の際に映画部の友達にヤクザの事務所があるあたりが無くなって、でかいホテルが建つことを知らされて、紅の歌詞の最初の英語の部分の和約を口ずさみながら誰もいなくなった思い出の場所を巡っていくシーンは泣きそうだった。
最後、成田が電話する後ろ姿で腕に聡実って入れ墨を掘られていて、カラオケ大会で負けたことが分かるのと、また聡実君をカラオケに誘うオチがとてもよかった。カラオケ大会で負けたら嫌いなものの入れ墨を組長に手彫りされるから好きなものを嫌いと言っておくと好きなものを掘ってもらえるからまだマシって会話がちゃんと回収されていて良かった。

参考

カラオケ行こ! : 作品情報 - 映画.com
映画『カラオケ行こ!』公式サイト


follow us in feedly

comments powered by Disqus

関連記事

新着記事