2023年に見た映画で印象に残った映画

2024-01-16 映画

2023年に映画館で見た映画で印象に残った映画のまとめです。

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5月5日視聴
POVが好きで前作も見ていたので映画館に観に行った。
字幕を追うの大変だったけど去年見たPOVで一番面白かった。
 


 

あらすじ

ロサンゼルスから遠く離れた南米・コロンビアを旅行中に突然消息を絶った母。デジタルネイティブ世代である高校生の娘ジューンは、検索サイトや代行サービス、SNSなど使い慣れたサイトやアプリを駆使して母の捜索を試みる。

感想

神。
観終わった後は感動してちょっと泣いてた。
POVの完成形の一つ。登場人物が操作するPCやスマホの画面だけでストーリーを展開する形の映画だともうこれ以上のものは作れないんじゃないかっていうぐらい完成度が高かった。新しい試みもしているし、それがすべて効果的だった。ハイテンポかつストーリーも二転三転して観客をミスリードするような展開が何回もあって最後まで結末が読めなかった。主人公に寄り添う登場人物の構成が前作に似ているから、前作を見ていると余計に間違った推理をしてしまうような展開が多かった。前作のオチから登場人物全員を信用できなかったし、途中から主人公も絶対に無関係なおじさん以外を信用しないようになって本当に誰が犯人かわからなかった。
序盤にいらないんじゃないかって思うようなコメディタッチな演出もあったけど、最後にちゃんと伏線として回収されてて感動した。最初のPC画面の内容が最後に全く違う意味合いでもう一度出てくる演出はもう感心して泣きそうになった。前作もストーリー展開自体はよかったけど、POVの演出がユニークで話題になっていてストーリー単体だとそこまで面白いものになっていなかったと思うけど、今回のストーリーは普通にミステリーものとして面白かったし、そのまま小説にしても面白いような内容だった。
1作目も衝撃的で面白かったけど、1作目の序盤のテンポの悪さが改善されていて、最初からクライマックスのような勢いでストーリーが進んで飽きなかった。画面上で起こってこと以外は、監視カメラの映像がメインになってくるため、前回はアクションシーンに迫力がなかったけど、監視カメラの配置が完璧かつ分かりやすい暴力で攻めてきたため、本当に事件が起きた時の映像のような迫力があった。
最後の警察が入ってくるシーンは反則に近い斬新な方法で迫力のある映像になってたけど、最初に伏線を張っておくことで違和感なく受け入れられた。
最後に前作同様にメッセンジャーの内容で家族愛を描いて、登場人物みんな幸せになってほっこりエンド。最高。 ケチをつけるとすれば、タイトルが原題の「Missing」のほうがしっくりくるし、ストーリーもつながってないからわざわざ原題から変えてナンバリングしないでほしかった。せめて「search #サーチ」の後ろに副題で「Missing」ってつける形にしてほしかった。シリーズが続いたときにどんなにストーリーが関係なくてもナンバリングをしないといけない呪いにかかってしまった。ナンバリングされてると途中から入るハードルが高くなるから、ストーリーが独立してるなら絶対ナンバリングしないほうがいいと思う。

怪物

6月25日視聴
今年見た邦画で一番面白かった。

 


 

あらすじ

郊外で小学5年生の子供を育てるシングルマザーが子供の言動や持ち物に違和感を覚えていじめを疑い始める。子供の証言から担任の堀先生にいじめれていると疑い解決のために動き始める。

感想

母親、先生、子供の3人の視点から同じ時系列で描かれていて一番最初の母親の視点ではひたすら違和感を覚えるような展開を見せて、後の二人の視点で謎を解いていくような演出がすごく面白かったし引き込まれた。
タイトルが怪物なので一連の事件の正体の怪物が誰なのかを考えながら見ることになるが、視点が変わるたびに違う人物が怪物に見えて最後まで展開が読めなくて集中して最後まで見れた。三人それぞれの視点ではちゃんと正義があるし、母親視点ではかなりクズに描かれていて違和感もすごかった先生が後の二人の視点からはなんでそんな行動をとっていたのかちゃんと説明されていていい先生だったのが分かっていくのがすごく好きな展開だった。母親視点では謎な部分がかなり多かったけど、それが一つずつ丁寧に説明されていくのがすごく気持ちよくて好きな演出だった。特に母親目線の時に学校の中でガラスが割れる音とか話声とか楽器を演奏している音が後ろでなっていて、それが他の登場人物の目線に変わったときに時系列の説明の役割になっているのがすごく好きだった。
俳優も全員良くて、安藤サクラがめちゃくちゃお母さんしてるし、子役の子の雰囲気がすごくあって主要な二人はどっちも怪物感があってサイコパス的な行動をしててもおかしくないように見えた。瑛太もひたすらよかったし、おばあさん校長先生も雰囲気がすごくて怪物感がずっとあったけど、子供目線ではかなりいい先生に見えるのが本当にすごいと思った。
ラストのシーンがすごくきれいで主人公の二人が幸せになって終わるのはすごくいいけど、現実か死後の世界か微妙な描き方でふんわり終わるのは少しモヤモヤした。お母さんとか先生がいなかったし、二人のセリフからもたぶん死んだか夢落ちなんだろうけど、生きててちゃんと現実で幸せになるようなエンディングだったらもっと好きになれたと思う。

リバー、流れないでよ

7月17日視聴
感動する系かと思ったらコメディだったしちょっと泣ける話だった。
映像がずっときれいで良かった。

 


 

あらすじ

京都・貴船の老舗の旅館で働くミコトは仕事中に少し川のほとりにたたずんでいたところ、おかみさんに呼ばれ仕事に戻る。番頭さんと雑談しながら仕事をしているといつの間にか川に戻っていて、不思議に思いながら仕事に戻るが、番頭さんとの雑談の内容が全く同じで違和感を覚え、番頭さんに話すと番頭さんも同じ違和感を感じていることが分かり相談していると、また川戻っていてループしていることに気が付き原因を探し始める。

感想

導入の普通に旅館の仕事風景も雰囲気が良くてループが始まるまでに主要な登場人物の人間関係の説明が何となく終わっていて話に入りやすかった。
2分のノーカットを繰り返すという変わった構成だけど、同じ2分間が繰り返しているという設定がシンプルでわかりやすかったし、1回のループをノーカットで見せるというのはすごくわかりやすかった。
最初のほうはコメディ的なノリで原因究明を進めていくけど、途中で恋愛ものにシフトするし、最後はSFになるけど、全体をほっこり田舎コメディでコーティングされてるから見やすかった。
ほっこりするキャラクターと貴船の老舗旅館の雰囲気が良くてずっと面白かった。
人生辛くなるたびに見たい。ブルーレイ買ったから人生辛くなったらいつでも見返せるの嬉しい。

戦慄怪奇ワールド コワすぎ!

9月10日視聴
死ぬほど待ったコワすぎシリーズの新作で公開された次の日に観に行った。
今までのシリーズの総集編みたいな映画でファンは絶対楽しめる作りになっていた。

 


 

あらすじ

怪奇ドキュメンタリーを撮っていた工藤のものに呪われている廃墟で全身血まみれの赤い女が写った映像が投稿される。会社が傾いている工藤はこの赤い女を捕縛し映像化して一発逆転を狙う。

感想

白石晃士監督がこの世界に生まれてきたことを神々に感謝します。
今までのコワすぎシリーズの世界線から違う世界線になっていることが最初に暗に示されているし、今までのシリーズと話はつながっていなかった。最初に工藤と市川の経歴と関係性が簡単に語られるけど、今までのシリーズとほとんど同じだった。ただ、セクハラやパワハラに気を付けるようになっているし市川が反撃するようになっていた。全体的に女性差別や女性蔑視などに対して問題視するような表現が多かった。
今までのコワすぎシリーズでファンが好きそうな表現「幽霊を捕縛」、「幽霊を金属バットで殴る」、「幽霊を直接殴る」、「胡散臭いけどめちゃくちゃ強い霊能者」、「ノーカットで時間も空間も移動しまくる霊現象」全部込々で1時間半突っ走ててめちゃくちゃ楽しかったし感動するほど面白かった。パンフレットのインタビューで、もうコワすぎシリーズを撮るつもりはないって言ってたけど、一応続編を作れそうな終り方になっていてお願いだから続編を作ってほしい。

市子

12月29日視聴
一人の人間について掘り下げているだけなのに、市子の設定の解像度が高すぎて引き込まれていった。

 


 

あらすじ

川辺市子は3年間一緒に生活してきた恋人の長谷川義則からプロポーズされるがその次の日に姿を消す。長谷川義則が捜索願を出すと担当の刑事から川辺市子という女性は存在しないことを告げられる。長谷川義則は川辺市子が働いていた新聞屋や学校の同級生に会い市子の行方を探し始める。

感想

冒頭の市子と長谷川の生活のパートはかなり短いけど、すごく丁寧で質素な生活をしているのと伏線となる市子のクセとかを丁寧に描いていてとてもよかった。
語り手と時系列が変わりまくるから最初の方は小さな疑問や違和感が増えていくだけだけど、途中から違和感の正体や疑問の答えのようなシーンが増えていって、最後にはただ親や行政の都合で何も悪くないのに大変な人生を歩むことになった女の子が必死に生きる方法を探していただけなのがわかる構成になっていて、支離滅裂に見えた市子の行動全てに納得が行った。
ネットで死にたい人を探して殺してあげる代わりに身分証と戸籍を貰おうとするシーンでやってることは怖いのに結局同じ生き方しかできない市子が可哀そうに見えた。
いろんな人の視点に変わったり時間軸もバラバラな映像が続くのに登場人物全員の市子についてのエピソードのすべてが出そろったときに、時系列がと周りの人間関係に矛盾や違和感がなく市子に感情移入した状態で、市子と長谷川との出会いからプロポーズするまでの生活を見せられて本当に幸せだったんだなって思えた。最後に結局過去から逃げられなくて長谷川との生活をあきらめて、失踪するシーンで最初と同じなのに全く違う感情になった。
ポスターとパンフレットの写真がとても良かった。パンフレットの画像のポスターも劇場に貼ってあったけど、グッズとして売ってほしいと思った。パンフレットは低予算映画の典型みたいなB5サイズのシンプルなデザインだったけど、インタビューと市子の年表が詳しく書かれていて映像化できなかったところも補完してくれる内容だったから、読んでいて映画観ているときに理解しきれなかったところも納得がいった。


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