目次
2025年に映画館で見た映画で印象に残った映画のまとめです。
ミッシング・チャイルド・ビデオテープ
2月9日視聴
最初から最後までじめじめした怖さがずっとあって面白かったが、ジャンプスケアとか派手な演出が少ないからはまらないひとには全然はまらない映画だと思った。
詳細
- タイトル:ミッシング・チャイルド・ビデオテープ
- 監督:近藤亮太
- 2025年製作/日本
- 上映時間:104分
- 劇場公開日:2025年1月24日
- 配給:KADOKAWA
あらすじ
一緒に遊んでいた弟が失踪してしまった過去を引きずっている兒玉敬太は山で行方不明になった人を探すボランティア活動をしていた。 ある日母親から古いビデオテープが送られてくる。そのビデオテープには弟の日向がいなくなる瞬間が映されていた。
感想
始まった瞬間から若干低予算の雰囲気がしていて期待しすぎてしまったなと感じた。
メインの登場人物の敬太と司が同棲している背景や二人の関係性や出会いについてあえて一切描いていないように感じた。敬太と司の過去や人物像については少しずつ描かれていって最終的にすべてはわからないけど、必要最低限の情報はちゃんと教えてくれていた。
ビデオテープを持った時の司の表情や反応で何かそういうことに関して力があることを示唆すると同時にビデオテープが良くないものっていうのを簡潔に見せていて分かりやすかった。ビデオテープの内容はそこまで不気味なものでもなかったけど、ビデオテープの独特な質感だけで雰囲気があって怖かった。
司が霊感があるにもかかわらず幽霊に関することはほとんど言動に出さずに記者の人が防犯ブザーを付けている理由について言い当てるのと敬太に日向君が隣にいることを教えるシーンくらいであとは何かと耳鳴りに苦しんでいるだけなのがある意味リアルだった。終盤のセリフでもあるけどたいていの場合は何もする必要がないし関わらないようにしていて、自分や自分の周りの人が巻き込まれた時だけ霊感を使うのが変に霊能力者みたいな動きをしないところがリアルだった。実際に自分い子供の頃から霊感があって特に幽霊に何かされるわけじゃなかったら同じように特に何もしないだろうなって思った。
不気味な体験について登場人物が長回しで淡々と話すシーンが何回かあるけど、全部すごくうまく話しているわけじゃないけど本当に体験した怖い話を恐る恐る話している感じがとても怖かった。特に民宿の人がおばあちゃんが話していた内容について話すシーンは全然地味なシーンなのに作中で一番怖いシーンの一つで2分くらい一人で話していてすごい撮り方をしているなと思った。怪談師みたいに大げさに抑揚をつけたりしているわけじゃないし演技が下手なように見えるくらい自然に話しているのが逆に怖かった。
最後日向君の着ていた服を見つけて絶望する敬太とビデオカメラを持っている子供の敬太を見つけて自分がもう助からないことを悟る司で両方不幸になるエンディングで後味悪かった。最後に敬太を部屋の外から見ている視点がビデオカメラの映像になるのが、あっちの世界に連れていかれた司の視点なのかなって思った。
参考
ミッシング・チャイルド・ビデオテープ : 作品情報・キャスト・あらすじ・動画 - 映画.com
シンパシー・フォー・ザ・デビル
3月1日視聴
バッチバチに服装からキメて来たニコラスケイジがバキバキの目で車に乗ってきてめちゃくちゃな迫力で詰めてきて最初からずっとニコラスケイジが面白かった。
上映時間も90分ですごく見やすかった。
詳細
- タイトル:シンパシー・フォー・ザ・デビル(原題:Sympathy for the Devil)
- 監督:ユバル・アドラー
- 2023年製作/アメリカ
- 上映時間:90分
- 劇場公開日:2025年2月28日
- 配給:AMGエンタテインメント
あらすじ
会社員のデイビッドは妻の出産に立ち会うためにラスベガスの中心部にある病院に向かうと、病院の駐車場で後部座席に見知らぬ男が乗り込んでくる。拳銃を突き付けられて男の言うとおりに仕方なく車を走らせて指示通りに車を走行させる。
男はデイビッドに異常なほどの悪意を持って過激な指示をするようになってくる。
感想
最初の子供を車で送るシーンが地味だったけどアメリカの親子のほっこりできるやり取りと主人公と妻が第一子で死産してしまったこととか主人公の背景をさりげなく描いていていいシーンだった。
病院についた瞬間から謎の渋滞に巻き込まれている間に、入り口にガンギマリニコラスケイジがバチバチにキメたスーツ姿で立っていてクソ面白かった。期待感もすごかった。
最初からニコラスケイジが飛ばしてて面白かったけど車内での会話劇がどうしても迫力には欠けるシーンが長かった。ニコラスケイジがすごく有能で慣れた手つきで相手を脅迫しているのは絶望感が強くて良かった。主人公が家庭の事情を話して解放するように求めた時も家族の話をする奴は同情を誘っている奴だと言った後に躊躇せずにスピード違反を取り締まってきた警官を撃ち殺して俺がやつの家庭を壊したと叫ぶシーンでニコラスケイジの役が一切相手の家族のことなんて考えないキャラクターということを示していてより狂気を感じた。そこからは何をしてもうまく行かないだろうなという絶望感の中で話が進むけど主人公も慣れた感じで走っている車を飛び降りて逃げようとしたり、脱臼を自分で直したり明らかに一般人でない行動をし始めていろいろ想像できるような情報を与えられたところでメインの舞台になりそうなダイナーに入っていって期待感強かった。
ダイナーでのニコラスケイジの言動が隙が一切ない上に明確な殺意を持って主人公を選んでいることを表しているのと周りの人たちを殺すことにも躊躇が無くて怖かった。迫力のあるアクションシーンが続いて色使いも派手で格好良かった。キッチンで火事を起こしながらタバコを吸うシーンは静止画でもカッコイイシーンだった。
長いニコラスケイジの語りから主人公とニコラスケイジの役の関係性と主人公の正体がようやくわかってニコラスケイジの役の目的が分かって物語が進むけどすぐに警察に見つかって主人公が正体を表して人が変わったようになれた手つきで警察を殺してニコラスケイジに事件が起きた時のことを話して謝罪した後殺して過去の自分を忘れて今の自分を生きるために新しい名前を連呼して自分を言い聞かせる終わり方は好きだけど地味な終わり方でB級感というか低予算映画の様に見えてチープだった。
シンパシー・フォー・ザ・デビルってタイトルが見る前はダサいなってちょっと思っていたけど、デビルを主人公とニコラスケイジのどちらを表しているととるかで意味合いが変わってくるけどどちらも悪魔と呼ぶにふさわしいしどちらにも憐みも共感もできる部分があってとても内容を表したタイトルだと思ったし、最後にタイトルロゴがでかでかと画面いっぱいに映されて終わるのは良かった。
参考
シンパシー・フォー・ザ・デビル : 作品情報・キャスト・あらすじ・動画 - 映画.com
ロングレッグス
4月6日視聴
ニコラスケイジが街のキチガイをやってる。
パンフレットが劇中に出てくる手紙の形をしている上に警察が証拠品を入れる袋に入っていてすごくよかった。2025年で一番印象に残ったパンフレット。
詳細
- タイトル:ロングレッグス(原題:Longlegs)
- 監督:オズグッド・パーキンス
- 2023年製作/アメリカ
- 上映時間:101分
- 劇場公開日:2025年3月14日
- 配給:松竹
あらすじ
FBIの新人捜査官のリー・ハーカーは上司から未解決連続殺人事件の捜査を任される。事件に共通しているのは父親が家族を殺害した後に自殺をしていることと全ての犯行現場に暗号が記されたロングレッグスという署名入りの手紙が残されていること。
一見共通点が無いようなロングレッグスの事件の真相に迫る。
感想
最初の制作会社のロゴなんかが映された後やたらオシャレな画面でもう一回見せられたのは謎だったし長かった。ただオシャレだった。四角い画面でオシャレに制作会社の名前を見せた後にそのまま回想に入って不気味な雰囲気で始まったけどストーリーがよくわからなかった。
四角い画面になることが何回かあったけど、画面比が変わるときにゆっくり横に伸びていくのが新しいしオシャレだった。
最初の方は主人公が不思議な能力を持っていることとロングレッグスって呼ばれている連続殺人鬼がいるってことを説明してくれるけど少し難しかった。主人公が初めてロングレッグスの資料を見た後、自宅で何かの気配を感じて外に出るシーンはすごく怖かった。ジャンプスケアや派手な演出はなかったけど、このあたりからずっと不気味な怖さがあって途中で入る適度なジャンプスケアがかなり怖かった。
演出やカメラワークがやたらとオシャレで画面内の小物もオシャレだった。ストーリー自体はそこまで怖くないし面白くもないけど、不思議なカメラワークと不気味な雰囲気でずっと緊張感をもって最後まで飽きずに見ることが出来た。
参考
ロングレッグス : 作品情報・キャスト・あらすじ・動画 - 映画.com
サブスタンス
6月1日視聴
SEとBGMも迫力があって演出も派手なものが多かったから劇場で見てよかった。
画角のこだわりがすごくてCGかと思うくらいほとんどの物の輪郭が消失点に向かって行くようなシーンが多くてすごかった。
詳細
- タイトル:サブスタンス(原題:The Substance)
- 監督:コラリー・ファルジャ
- 2024年製作/イギリス・フランス合作
- 上映時間:142分
- 劇場公開日:2025年5月16日
- 配給:ギャガ
あらすじ
オスカーを取りハリウッドのウォーク・オブ・フェイムで星形のプレートに名前を刻むほどの活躍をしたエリザベスだったが年を取るにつれ人々から忘れされていき、現在では朝のフィットネス番組を務めるだけになっていた。50歳の誕生日に自身の番組が終わることを知ったエリザベスは失意の中で理想の自分になれるという違法薬物の「サブスタンス」に手を出してしまう。サブスタンスを使用したエリザベスの体から細胞分裂して若く美しい女性のスーが産まれる。1週間ごとにスーとエリザベスを交代するという絶対的なルールがあったが、スーの若い体での生活から戻りたくなくなり次第にルールを破り始める。
感想
始めに主人公のエリザベスが成功して次第に人々に興味を持たれなくなっていく様をハリウッドの床に埋められているスターのプレートの定点で表現していてシンプルでわかりやすい上に印象的なシーンだった。最初はみんな目当てで見に来て次第についでに見るような感じなって子供が「この人誰?」って聞いて親がすぐ出演作を答えられなくなったり、最後には急いでる男性がハンバーガーをぶちまけて仕方なく掃除するシーンで完全に忘れ去られたって言うのが痛々しいほど伝わってきた。シーンが進むにつれてスターにヒビが入っていくのもつらかった。
現在のエリザベスのシーンになってエアロビクスのテレビ番組に出演していて動き的にもターゲットの年齢層もちょっと高めなのが伝わるような演出だった。最後投げキスをして周りのスタッフにも優しく接していてスターのおごりみたいなのもなくて好印象だった。その後掃除中だったため仕方なく男性用のトイレに入って用を足しているとプロデューサーが入ってきて年齢を原因として番組を打ち切って若い女の子をメインに新しい番組を作ろうとしてる電話の内容を聞いて落ち込んでいるエリザベスが可哀そうだった。
サブスタンスのUSBを貰って最初は怪しんで電話をしないが、プロデューサーとの会話で若さへの嫉妬と老いていく自分への焦燥感で手を出してしまう演出もすごかった。ここまで男性を見にくく描いてルッキズムへの嫌悪感を煽ることが出来るのかっていうくらい不快な振る舞いが多かった。劇中で出てくる男で元同級性の電話番号を渡してきた男性以外、女性を若さと見た目で評価しているのが露骨に描かれていて不快感が強かった。そのせいでスーの行動に説得力があった。
スーの若さに取り付かれるようになってからは段々エリザベスの見た目が崩壊していって段々デイヴィッド・クローネンバーグ監督作品のような自分の見た目が変容していく恐怖が描かれていて怖かった。
最後は本当にクローネンバーグ監督作品のヴィデオドロームみたいになって特殊メイクもすごかったけど幻覚か現実かわからないような演出もそのままヴィデオドロームみたいだった。
最後、自分のスターのプレートの上で星空を眺めてスノードームの中で輝く過去の自分と重ねながら体が解けて清掃の人に普通のゴミの様に掃除されるのがオチとしてすごく好きだった。
参考
サブスタンス : 作品情報・キャスト・あらすじ・動画 - 映画.com
入国審査
8月11日視聴
短期間の撮影と低予算で撮られた映画らしくて、低予算感は度々見えるけどワンシチュエーションで話が進むからチープさや違和感があるシーンなどはなかった。
パンフレットも入国審査について解説に終始していて勉強になった。
詳細
- タイトル:入国審査(原題:Upon Entry)
- 監督:アレハンドロ・ロハス、フアン・セバスティアン・バスケス
- 2023年製作/スペイン
- 上映時間:77分
- 劇場公開日:2025年8月1日
あらすじ
スペインのバルセロナから移民として移り住むためにニューヨークに降り立つ。グリーンカードの抽選で移民ビザに当選していて書類もそろっているが入国審査でパスポートを確認した職員に別室に連れていかれる。
感想
導入の飛行機のシーンでディエゴが入国審査のシミュレーションをしたり薬をこぼしたり、入国審査の列で異常に緊張したりと怪しい行動こそしているが、決定的に変な行動や明らかに審査に影響があるような行動はしていないのに別室に連れていかれ、理不尽な扱いへの違和感と不穏な雰囲気が漂っていてすごく引き込まれた。
何も説明されずに待合室に通された不安と焦りからいろいろな行動をとるが、結局大人しく待つしかなくて順番が来た時にはかなりフラストレーションがたまっている様子だった。そこから高圧的にまるで犯罪者かのように荷物の検査をされて段々苛立ちから恐怖に変わっていって、特に派手なシーンはなかったけど緊張感があって観ていて飽きなかった。
尋問が始まって愚痴を母国語で話したら英語しか話せないと思っていた職員の人も話せて注意されるシーンは絶望感があって好きだった。
最初は手続き上問題ないことを説明していて高圧的な職員に腹が立つシーンが続くけど段々とディエゴが妻に内緒にしていることが出てきたり移民になりたがっているような証拠を職員が突き付けてきたりして空気が変わっていって一気にディエゴが悪役になっていったのが印象的だった。一瞬部屋に一人にされた隙に電話で連絡を取ろうとしたりと怪しい行動が目立ってきてその後の尋問でも明らかに嘘を付いているようなシーンが多くあって本当にディエゴが悪役になっていった。
パートナーのエレナのターンに回ってきてディエゴが嘘を付いていたこととエレナが知らなかった過去が出てきて動揺している様子が印象的だったし、職員の質問が厳しくなるにつれて謎に部屋の外でやってる工事の音が段々大きくなっていって怖さすらあった。最後には部屋の電気も切れて一番インパクトがあるシーンだった。部屋を移動してからは少し落ち着いて話が進んだ。
エレナが本当にダンサーをしているかを証明させるために踊って見せろって言って断っているときは高圧的に言っていたのに踊り始めようとしたら一瞬で「もういい」って辞めさせるのはめちゃくちゃうざかった。
ラスト二人の仲が悪くなってこれから一緒に入れるか微妙なうえに審査も落ちるんだろうなって雰囲気が漂っていてどういう展開になるんだろうと思っていたら審査官に呼ばれて入国許可が出たことを告げられてぶつ切りのように終わるのと二人の驚いた顔が最高だった。
参考
入国審査 : 作品情報・キャスト・あらすじ・動画 - 映画.com
近畿地方のある場所について
8月17日視聴
前半パートはモキュメンタリーの短編集のような感じでモキュメンタリーが苦手ではない人なら楽しめる内容になっていた。特に関係のなさそうな映像や記事に少しずつつながりが見えてくるシーンではすごく不気味な怖さがあった。
後半は白石晃士監督作品という感じで好き嫌いが別れると思うし、実際レビューサイトでも賛否両論って感じだった。
ただ前半は普通にホラー映画として観ても不気味な怖さがあって邦画のホラーが好きなら楽しめると思う。
詳細
- タイトル:近畿地方のある場所について
- 監督:白石晃士
- 2025年製作/日本
- 上映時間:103分
- 劇場公開日:2025年8月8日
あらすじ
オカルト雑誌の編集者が次回の特集を他の編集仲間に内緒で執筆中に行方不明になる。このままでは雑誌の特集に穴をあけてしまうことになるため同僚の編集者の小沢悠生はオカルトライターの瀬野千紘を頼り、行方不明の編集者を捜すために彼が集めた特集のための資料を調べていく。
感想
導入はオカルト雑誌の編集者が会社の地下で特集のために泊まり込みで作業をしていて、たまたま残業していた主人公の一人の小沢に話しかけられて体調を心配されたり特集について聞かれたりするよくあるような導入だった。ただ地下に戻ってから明らかに雰囲気が一変して細かい怪異が起こって不穏な空気になって変わり果てた姿になった自分の霊体のようなものが現れ目から出血して顔がアップになったら目が空洞になっているのはインパクトがある演出でそのままタイトルに入ってすごく引き込まれた。
序盤はよくある邦画ホラーの導入って感じで編集者が失踪したからコネクションのあるフリーのオカルトライターに特集の執筆の手伝いをお願いして失踪した編集者が集めた資料を基に事件について調べていくうちに怪異に巻き込まれるという展開でわかりやすかった。
基本的には無関係に感じるような映像をいくつも見ていく形で話が進んで行ってストーリーの本筋が分かりやすい分一個一個の映像が不気味なだけで一見関係の無いような映像の羅列でも失踪事件と特集にどのような関係があるのか自然と推理しながら観てしまった。どういう関係があるのか見逃さないように細かい部分まで見てしまって他の映像との一致している部分などを見つけるとどんどん恐怖が蓄積していってどんどん不気味な事件に巻き込まれているような感覚があった。
ストーリーが進むにつれて霊や怪異が少しずつ起こっていくのも取り返しのつかない方向に進んでいるような怖さがあった。
資料のほとんどがVlogやテレビの映像だったり過去の取材映像一個一個が短編のモキュメンタリーみたいになっていての短編集のような感覚でも楽しめて面白かったし、取材資料として残っていたという設定だけあって、映像に映っていた人物の顛末などについて資料が一緒に保存されていて何気ない昔のテレビ番組の映像でそれ単体では怖くなくても一連の顛末が本筋の怪異につながっていることが分かってどんどん危険に近づいていっている感覚がとても不気味な雰囲気で不快感すらある怖さだった。
一個一個の資料映像は白石晃士監督の作品だけあって実際に放送されていたんじゃないかってくらいリアルだった。特に失踪したニコ生主の首吊り屋敷は本当に廃墟自体が怖くて、ただ腐敗しているから怖いといった普通の廃墟の怖さじゃなくて何か意図しているような見た目になっているのがとても怖かった。映像に映っていたお札から核心に一気に核心に迫っていってとても重要なシーンだけあってインパクトがすごかった。
途中霊媒師が出てくるシーンがあって、主人公の瀬野の知り合いの霊媒師に意見を求めに行ったら恐怖のあまり取り乱して逃げるように喫茶店を出ていったり、見たら死ぬ映像を観てしまった大学生の除霊をしていた住職が途中で嘔吐したり、人間がどうにもできない大きな力を感じさせる演出は地味だけど好きだった。
実際に怪異に巻き込まれている人に合って怪異を収めた映像を観たり、住職の言うとおりに生き物を絶え間なく飼い続けていて異様な雰囲気の家になっていたり今まで細切れだった恐怖が一つにつながって行って不気味な怖さがあった。
失踪した編集者の家もめちゃくちゃで怖かったし、奥さんの暴れまわり方もかなり怖かった。核心に触れてしまった人が生きるのあきらめたようなセリフとともに自殺するのも怖かった。
瀬野が失踪した編集者の家を訪れるちょっと前くらいから急に高圧的になったり強引になっていって憑りつかれた小沢をビンタ一発で除霊したり、原因の石を壊すとか言って当たり前のようにバールを持ってきたり、しまいにはトンネルで赤い女の例を車で轢いたりしてちょっと流れ変わってきたなってなった。
明らかに瀬野がおかしいがそのラストのシーンで明かされて納得できたし、失踪した編集者のセリフの意味も分かってスッキリしたがもう少し何かきれいに終わらせられるんじゃないかとも思った。最後、動画を観ている第三者に呪いが向くように瀬野が映像を撮っていたっていう感じで終わった上に瀬野の顔が少しずつ崩れていくのが不気味でよかったが、赤ちゃんのクトゥルフ的な演出は蛇足だなって思ってしまった。
エンディングテーマが椎名林檎で終わり方に合っていてエンドロールの余韻がすごかった。
参考
近畿地方のある場所について : 作品情報・キャスト・あらすじ・動画 - 映画.com
RED ROOMS レッドルームズ
10月15日視聴
あらすじがどう考えてもR18なのに全年齢で公開されて衝撃だった。
実際に見たら対象年齢を上げる要素をあえて削って日常にあるような風景だけで狂気を演出していて圧倒された。
映像のこだわりがすごく感じるようなシーンが多々あった。
詳細
- タイトル:RED ROOMS レッドルームズ(原題:Red Rooms)
- 監督:ジェーン・シェーンブルン
- 2023年製作/カナダ
- 上映時間:118分
- 劇場公開日:2025年9月26日
- 配給:エクストリーム
あらすじ
少女たちを拉致、監禁、拷問し、殺害する様子を撮影してディープウェブのRED ROOMSと呼ばれるサイトで配信した容疑で逮捕された連続殺人犯ルドヴィク・シュヴァリエの裁判が国中の注目を集めていた。ファッションモデルとして活躍するケリー=アンヌも裁判の傍聴をするが段々真相を追い求めて暴走を始める。
感想
終始映像と演出へのこだわりを果てしなく感じた。
冒頭から信じられないくらい長回しで裁判が始まる様子をぶっ続けで撮っていて、「あれ?カット入れないの?」って思うくらい長いシーンだったし、裁判長が咳き込んだりしていたけどあれが本当に咳き込んじゃったのかしゃべり始めだから咳が出たのかわからないくらいのタイミングでかなりリアルな雰囲気だった。実際の裁判は見たことないけどこんな感じなんだろうなって思うくらいにはリアリティを感じたし、しゃべっている弁護士や検事を無視して少しずつ主人公にアップしていく演出がすごく好きだった。主人公も引き込まれているような目線で犯人を見つめていて少し怖さすらあった。
裁判所から出るときに犯人にガチ恋しているような女の人がインタビューを受けている後ろを主人公が通ったり、主人公の行動を移すのがメインなのに画角は別の人を中心にとらえていて主人公はあくまで後ろを通ったりピントが合ってない通りすがりの人のような移し方をしてこだわりがすごかった。
ただ、演出と映像のこだわりはすごくて引き込まれるものがあったけど序盤のストーリー展開事態はすごくゆっくりとしていて一緒に裁判を傍聴している人との日常や主人公がポーカーをしているだけのシーンが続いた。
主人公が少しずつ暴走していって周りから人がはなれていくけど主人公の目的が分からなくていまいち乗れなかった。被害者の家をニュース映像から特定して使っているスマートキーを特定して、SNSのメールアドレスから流出したパスワードをダークウェブで検索して、家のWifiのパスワードを特定して敷地内まで行ってログインして鍵をロックを解除できるかどうか確認するシーンは怖かった。
もう後戻りできないくらいまで暴走して職まで失ってずっと溜めていたビットコインも全部使って入手した犯行映像を見て犯人が誤認逮捕じゃないことを確信して満足した顔で被害者の家に不法侵入して映像が入ったUSBメモリを置くシーンは痺れた。
内容はえげつないのに決定的な映像が一切映らないから全年齢指定なのが狂ってて好き。犯罪が不法侵入くらいだから基準的には全年齢にしないといけないの逆に狂ってる。
参考
RED ROOMS レッドルームズ : 作品情報・キャスト・あらすじ・動画 - 映画.com
ナイトフラワー
12月1日視聴
すごい雰囲気のある役者さんしか出てないし、はまり役やってるからかっこよかった。
格闘技のシーンで格闘技好きな人ならだれでも見たことがあるレフェリーが出てきて笑ってしまった。
詳細
- タイトル:ナイトフラワー
- 監督:内田英治
- 2025年製作/日本
- 上映時間:124分
- 劇場公開日:2025年11月28日
- 配給:松竹
あらすじ
借金取りに追われ、2人の子どもを連れて東京へ逃げてきた永島夏希は、昼も夜も必死に働いてもなお、明日の食べものにさえ困る生活を送っていた。ある日、夜の街でドラッグの密売現場に遭遇した彼女は、迷いながらも子供たちにお金の心配をさせないために自らも売人になることを決意する。
拾ったドラッグを試しで売ってみたが半グレに襲われてしまう。たまたま助けてくれた格闘家・芳井多摩恵がボディガード役を買って出てくれたことから彼女とタッグを組みさらに大きな取引に手を出してしまう。
感想
いきなり北川景子が本気で深夜高速歌っててブチ上がった。
働いてるスナックのママや昼のバイト先で雑に扱われているところや主人公の不器用な感じとか丁寧に描かれていたし、過去についてもだいぶ追い込まれているのが分かるような情報だけが読み取れてすんなり感情移入出来た。生活が厳しいのに長女には好きなバイオリンを習わせていて出来る範囲で子供の将来のためになることをやっている感じが好きだった。不器用ながらにいい母親でいようとしてるのが伝わってきた。どう考えてもバイオリンなんて習わせてる余裕ないし、実際主人公は無料だと思って通わせてて長女が路上で演奏して教室代を稼いでたからかなり無理してやらせてあげてたんだなってなったし、黙って教室代を稼ぐ子供も健気だった。
ドラッグをたまたま手に入れちゃうところとか初めて売って仕切ってる人に殴られたりの展開がすごく速かった。たまたま通りすがった総合格闘家のたまえに助けてもらってから仲良くなるシーンはお互いに価値観とかが全然違ってて面白かった。
ドラッグを売るために仕切ってるリーダー格の人に会いに行ったらすごく雰囲気のあるかっこいい俳優さんが気怠そうな演技で役にハマっててすごく良かった。途中でスーパービーバーのボーカルの人だって気付いてびっくりした。
最初はビクビクしながら売ってたのに段々慣れてきてすぐに金遣いが荒くなってて破滅に向かってるなって思った。
親が医者の富裕層の家庭の子供が主人公たちの客として出てくるが主人公の娘と真逆の環境で程よい距離感の主人公の子供と放任主義の父親と過保護な母親の富裕層の子供でどっちが幸せか比較させるような構成になってて考えさせられた。
たまえが女子格闘技の大きな大会に出れることになって試合のシーンで和田レフェリーが出てきてちゃんと止めるの遅くて笑ってしまった。感動的なシーンだったのに。
富裕層の子供が警察から逃げた際に交通事故にあって亡くなったせいで証拠隠滅のために半グレから狙われて、子供を失った富裕層の母親からも命を狙われて周りの人がどんどん死んでいった。
ラストシーンが夢か現実か分からないまま終わるけどこれはこれでいいやと思った。最初のシーンのセリフがラストシーンでも出てきてそこから夢か現実か分からないのがちょっとおしゃれだなって思った。