9月14日
映画館で視聴
ネタバレあり
シンプルな設定のゲームの実写化ということもあってわかりやすいワンシチュエーションスリラーとして完成度が高かった。
おじさんの役者さんが海外でCGと間違われたのも納得するくらい無機質な歩きだった。
フォールとかワンシチュエーションスリラーが好きな人なら楽しめるような映画だった。
詳細
- タイトル:8番出口
- 監督:川村元気
- 2025年製作/日本
- 上映時間:95分
- 劇場公開日:2025年8月29日
- 配給:東宝
あらすじ
蛍光灯が灯る無機質な白い地下通路を、ひとりの男が静かに歩いていく。いつまで経っても出口にたどり着くことができず、何度もすれ違うスーツ姿の男に違和感を覚え、自分が同じ通路を繰り返し歩いていることに気づく。そして男は、壁に掲示された奇妙な「ご案内」を見つける。「異変を見逃さないこと」「異変を見つけたら、すぐに引き返すこと」「異変が見つからなかったら、引き返さないこと」「8番出口から、外に出ること」。男は突如として迷い込んだ無限回廊から抜け出すべく、8番出口を求めて異変を探すが……。
感想
タイトルロゴの出方がかっこよかった。ゲームが英語でも楽しめるようになっているのを踏襲しているのか全体的に英語表記と日本語表記の両方があった。
始まってすぐにPOVで主人公の目線から始まって電車でのよくあるトラブルを目撃して見なかったふりして降りるのがリアルだった。電話がかかってきて別れたはずの彼女から妊娠したことを告げられて過呼吸になったりするのもPOVで描かれていて感情移入しやすかった。
ループに入ってからもしばらくはPOVで3人称視点になるときに主人公が迷う男ってキャプションと一緒に出て異変が始まった感じがした。最初は当たり前に異変とかルールに気付かずに何回かループしたりおじさんに話しかけたりするけど、結構早めに注意書きを見つけて異変に気付いて戻って1番出口って表記を見てルールを理解してくれたからストレスも違和感もなくすぐに世界観に入りこめた。
設定がシンプルなのと舞台があの通路だけって言うのもあって海外のよくあるインディペンデント映画みたいな雰囲気があるけどずっとつながっているかのようなカットで本当にずっとループしてるかのようだった。起こる異変も主人公の悩みや置かれている状況に関係のするようなものがあって精神的な怖さみたいなのもあった。特に彼女から電話がかかってきて電話しながら歩いていたら異変で0に戻って電話もなかったことになっているシーンは印象的だった。精神的に追い詰められている人の暴れ方をしていたし、一通り暴れた後倒れこんで数十秒動かなかったのはリアルに感じた。その後子供が出て来て異変だと思って戻ったら異変じゃなかったときからストーリーが一気に進みそうなワクワク感があった。
子供が出て来てすぐに歩いているおじさんの視点に切り替わるけどその時のキャプションが段階的に出てくるが、英語表記が一瞬「hell」になっていた。The walking manのhelとkの縦棒だけが先に表示されていたから意図的だと思う。ずっと表情も歩く速度も一定だったおじさんが急に感情を表に出して迷う男と同じ状況に置かれていたことと子供と一緒に8番出口を目指していたことが分かって急に人間味が出てきた。それまでは完全にCGのキャラクターのようだったけどそこで人間なんだってなった。クリア直前まで行って子供が異変に気付いているのにおじさんが気付けなくて最初からに戻った時のブチギレ方が本当に怒っている感じで怖かったし可哀そうだった。でも正気に戻ってすぐに子供に怖かったよねって笑顔で言うあたりにおじさんのやさしさみたいなのも感じておじさんを応援したくなったがすぐに8番出口以外の出口から出て同じ場所をさまよい続ける歩く男になってしまうのが悲しかった。
子供の視点になって最初は無口だったけど子供を迷う男が助けたのをきっかけに協力的になってからはほほえましい感じで見れてすごく応援できた。このまま終わるのかなって思えるくらい順調だった。
水が流れて来て迷う男は流されて男の子も戻ったから8番出口にたどり着けたはずだけどはぐれてしまっていて最後どうなったか分からないが、両方助かっているといいなって思った。
最後に最初と同じ電車のシーンに戻って怒られている親子を助けに入るのはいいんだけど全く同じシチュエーションになっているせいで怪異から抜け出せたのかよくわからない終わり方になっていて少しモヤモヤした。
全体を通してかなりシンプルなゲームの実写化で違和感なく普通に楽しめるストーリーと映像になっていてすごいと思ったしシンプルに面白かった。
効果音かと思っていた劇中の音が中田ヤスタカが作った音楽ってエンドロールで知ってびっくりした。