11月3日
U-NEXTで視聴
ネタバレあり
日本のキャッチコピーが「俺のブタを返せ。」になっているせいでジョンウィックみたいな復讐劇だと思って見たら、すごく深みのあるヒューマンドラマですごく面白かった。
ニコラスケイジとキャッチコピーのせいでいつ暴れだすのかってワクワクしてたけど、途中からロブの過去について昔の知り合いとの会話から想像するのがとても面白かった。回想などで詳しく描くのじゃなくて昔の知り合いとの会話でロブの過去を広げていくのがすごくよかった。
ロブの過去と人間性に深みがある分、中途半端に仕事が成功して調子に乗っているアミールとの対比がすごくうまく描かれていたし、どんどん立場が逆転していくのも面白かった。
あらすじ
オレゴンの森の奥深くでトリュフ豚と一緒に暮らし、収穫したトリュフを取引相手のアミールにうって生活をしていた。
ある日、若者に襲撃されて豚を連れ去られてしまう。そのことに怒ったロブはアミールに連絡を取って街に豚を連れ去った犯人を捜しに行く。
感想
主人公がニコラスケイジというのもあるけど主人公の風貌と家の雰囲気が渋くてかっこよかった。今は冴えない田舎のおじさんだけど昔かなり優秀だった感がにじみ出てて豚を盗まれてから取り返しに行くまでのただものじゃない感じと、たずねていく人たちも裏で業界を牛耳ってる雰囲気があって主人公を馬鹿にしていたアミールが段々置いていかれていくのは少し気持ちよかった。
冴えないおじさんが実は昔すごいシェフで名前を出すだけで問題が解決したりする展開は普通に面白かったしかっこよかった。完全にバカにしてたアミールも完全に尊敬すごくよかった。
地下でやってた謎の格闘技みたいなやつの賭けのルールがよくわからなかった。
ロブの過去の友人とのシーンもいいけど、どんどん自信を失って可哀想になっていくアミールの表現も良かった。実は一人でもトリュフを見つけられるのにアミールに協力させるためだけに嘘を付いて、本当の理由が愛しているからっていうのがまた渋かった。
父親に憧れているが同時に父親の権力に怯えている自分がコンプレックスのアミールが、父親と母親を感動させたシェフがロブだと知った後にどんどんロブの行動を見て自信を無くなっていくのが少し可哀そうになるくらいだった。
最後に豚が死んだことを知らされて悲しむロブと無力さに打ちひしがれるアミールのそれぞれの一人のショットがすごくよかった。観終わった後の余韻がすごかった。